専務理事就任の御挨拶に代えて

ばんえい無くして馬文化無し、馬文化無くしてばんえい無し
 ~専務理事就任の御挨拶に代えて~
                          専務理事 旋丸巴

 ばんえい競馬廃止の危機から二年半。市民運動にまで輪を広げた「ばんえい存続運動」のお陰で九死に一生を得たばんえい競馬ですが、新生ばんえい三年目にして、今、再び、経営難の大波が、この競馬に押し寄せてきています。
 ばんえい応援を主眼として創設された本会も、第一期2年の活動を終えて一段落……と安閑していられる状況ではなく、更なる「ばんえい応援」に向けて、一層のパワーアップ、一層の活動強化を求められる状況となってまいりました。
 しかし、ピンチの時こそが最大のチャンス。
 存廃問題を機に、ばんえい競馬が全国に注目されたように、再び訪れたこの危機こそが、ばんえい再生への本当のチャンスだと、私は確信します。
 ばんえい競馬のあるべき姿を、皆さんと共に、しっかりと考え、その理想に向かって邁進すれば、ばんえい競馬は、かつての活況を取り戻すのみならず、世界に誇れる馬文化として更なる成長を遂げるでしょう。
 「ばんえい競馬と言っても、所詮はギャンブルじゃないか」という批判を投げかけられることもしばしばですが、ばんえい競馬は北海道の歴史を今に伝える文化財産であり、馬と人が共に生きる場でもあります。十勝に息づく馬文化は、ばんえい競馬だけではありませんが、競馬場というスタジアムを基地として、十勝の、或いは北海道の馬文化を全国に、いや、全世界に発信すれば、ばんえい競馬は勿論、馬と人が紡ぐ総ての馬文化の強力な応援団になれる。即ち、ばんえいがあればこそ、馬文化はますますの発展を遂げられると、再び確信します。
 こうした理念を踏まえて、5月17日の当会総会では、更に、馬文化、ばんえい競馬に理解ある新役員を迎え、新体制で馬文化支援を推し進めることが満場一致で採択されました。私しく旋丸も、専務理事という余りにも重い責務を課せられて、内心、冷汗を拭っているところではございますが、しかし、馬が好き、という一点においては人後に落ちない、と自負しております。馬一色、馬のお陰で生きて来た人間として、今こそ馬に恩返し、この素晴しいパートナー達との文化を伝えるために微力ながら奮闘して行きたいと決意いたしておりますので、何卒、宜しくご支援、応援のほど、お願い申し上げます。
 
 十勝の、北海道の、全国の馬達よ、君達の素晴しさを皆さんに知ってもらうために頑張るからね!

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